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大阪地方裁判所 昭和62年(わ)4833号 判決 1988年3月10日

本店所在地

大阪市北区梅田一丁目一番三-九〇〇号

とも栄廣告宣伝株式会社

(右代表者代表取締役 岩田悠紀雄)

本籍

大阪市東住吉区北田辺一丁目五四番地

住居

大阪府池田市渋谷一丁目一四番二〇号

会社役員

岩田澄子

昭和一四年七月三日生

右の者らに対する各法人税法違反被告事件につき、当裁判所は、検察官長谷川充弘出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

1  被告人とも栄廣告宣伝株式会社を罰金一〇〇〇万円に処する。

2  被告人岩田澄子を懲役一〇月に処する。

この裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人とも栄廣告宣伝株式会社(以下、被告会社という。)は、大阪市北区梅田一丁目一番三-九〇〇号に本店を置き、広告代理業等を目的とする資本金八〇〇万円の株式会社であり、被告人岩田澄子(以下、被告人という。)は、被告会社の取締役としてその資金繰り、経理事務等を担当していたものであるが、被告人は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て

第一  被告会社の昭和五七年一〇月一日から同五八年九月三〇日までの事業年度における実際所得金額が五八〇六万一九二六円(別紙(一)修正損益計算書参照)あったのにかかわらず、受入手数料の一部を除外するなどの行為によりその所得の一部を秘匿したうえ、同五八年一一月二八日大阪市北区南扇町七番一三号所在の所轄北税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が三〇三二万二四七五円でこれに対する法人税額が一一四五万三六〇〇円である旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し、そのまま納期限を徒過させ、もって不正の行為により被告会社の右事業年度における正規の法人税額二三一〇万三九〇〇円と申告税額との差額一一六五万〇三〇〇円(別紙(四)脱税額計算書参照)を免れ

第二  被告会社の同五八年一〇月一日から同五九年九月三〇日までの事業年度における実際所得金額が七〇五五万〇二八九円(別紙(二)修正損益計算書参照)あったのにかかわらず、前同様の行為によりその所得の一部を秘匿したうえ、同五九年一一月二七日前記北税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が五二〇八万〇二六六円でこれに対する法人税額が二一一一万〇九〇〇円である旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し、そのまま納期限を徒過させ、もって不正の行為により被告会社の右事業年度における正規の法人税額二九一〇万八五〇〇円と右申告税額との差額七九九万七六〇〇円(別紙(五)脱税額計算書参照)を免れ

第三  被告会社の同五九年一〇月一日から同六〇年九月三〇日までの事業年度における実際所得金額が五二九〇万五八四七円(別紙(三)修正損益計算書参照)あったのにかかわらず、前同様の行為によりその所有の一部を秘匿したうえ、同六〇年一一月二五日前記北税務署において、同税務署長に対し、その所有金額が二九七万四〇七五円でこれに対する法人税額が五九万三〇〇〇円である旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し、そのまま納期限を徒過させ、もって不正の行為により被告会社の右事業年度における正規の法人税額二一五九万五〇〇〇円と右申告税額との差額二一〇〇万二〇〇〇円(別紙(五)脱税額計算書参照)を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示全事実につき

一  被告会社代表者の当公判廷における供述

一  被告人の当公判廷における供述

一  被告会社代表者の検察官に対する供述調書(証拠等関係カード検察官請求分番号20)

一  被告人の検察官に対する供述調書二通(前記番号42、43)

一  被告人に対する収税官吏の質問てん末書一五通(前記番号27ないし41)

一  岩田章(二通。番号21、22)及び乾典夫(二通。番号23、24)に対する収税官吏の各質問てん末書

一  収税官吏作成の査察官調査書一五通(番号4ないし16、19、44)

一  商業登記簿謄本(前記番号25)

判示第一の事実につき

一  北税務署長作成の証明書(法人税確定申告書写添付のもの)(前記番号1)

判示第二の事実につき

一  北税務署長作成の証明書(法人税確定申告書写添付のもの)(前記番号2)

判示第三の事実につき

一  北税務署長作成の証明書(法人税確定申告書写添付のもの)(前記番号3)

一  収税官吏作成の査察調査書二通(前記番号17、18)

(法令の適用)

一  罰条

1  被告会社

判示各所為につき法人税法一五九条一項、一六四条一項

2  被告人

判示各所為につき法人税法一五九条一項

一  刑種の選択

被告人につきいずれも懲役刑選択

一  併合罪の処理

1  被告会社

刑法四五条前段、四八条二項

1  被告人

刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の最も重い判示第三の罪の刑に加重)

一  刑の執行猶予

被告人につき刑法二五条一項

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 松本信弘)

別紙(一) 修正損益計算書

(とも栄廣告宣伝(株))

自 昭和57年10月1日

至 昭和58年9月30日

<省略>

別紙(二) 修正損益計算書

(とも栄廣告宣伝(株))

自 昭和58年10月1日

至 昭和59年9月30日

<省略>

別紙(三) 修正損益計算書

(とも栄廣告宣伝(株))

自 昭和59年10月1日

至 昭和60年9月30日

<省略>

別紙(四) 税額計算書

<省略>

別表(五)

税額計算書

<省略>

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